世界有数の金融グループであるHSBCは、ドイツを本拠地とする世界的なスチレン供給会社イネオス・スタイロルーション社(INEOS Styrolution)韓国とベトナムのプラスチック加工業者デゥイタン(DUYTAN)との間におけるブロックチェーンを活用した信用状取引(L/C取引)が正常に完了したと発表した。

今回の取引では、イオネス・スタイロルーション社がデゥイタン社にプラスチック原材料を輸出する過程が全てひとつのブロックチェーンアプリケーション「VOLTRON(ボルトロン)」を介して行われた。HSBCが輸入側、輸出側それぞれの銀行口座開設、L/C(Letter of Credit)の通知や買い取りまでを手がけた。

2019年7月3日にデゥイタン社から信用状を発行し、これリアルタイムでイネオス社へ通知された。

今回の取引によりブロックチェーン技術が貿易取引におけるデジタルソリューションとして、商業的かつ業務効率化の可能性を証明した。

貿易取引における書類の交換には、通常5~10日かかる従来の信用状取引とは異なり、今回の取引では、約1日に完了した。また両社における運用効率性、透明性、セキュリティが大幅に改善した。

従来は出荷書類が信用状の条件と一致するかどうかの書類確認作業が行われていたが、今回は取引当事者が「BOLTRON」というプラットフォームで接続されており、すぐに変更などを反映することが可能だという。

イネオス・スタイロルーション社の資金担当兼企業広報総括は、以下のように述べた。

「世界有数のスチレンサプライヤーである我々は、いつも運営改善に苦心していた。そのためブロックチェーンを活用して貿易プロセスを簡略化したのは当然の決定である。プラットフォームを介して透過的に取引された今回のケースは、日常的な紙ベースのプロセスを明確にし簡素化することができる可能性があることを見せてくれた。つまり、信用状取引の過程が迅速かつ容易になるだろう。イオネス社は、『VOLTRON』の商用化に多くの期待をしている」

DUITANのCFOは、今回の取引に関しては以下のようにコメントをした。

「HSBC主導のブロックチェーン技術を活用したベトナム初の貿易取引を実現できて嬉しい。すべての貿易手続が改善され、輸出、輸入業者の間に高速の情報交換ができた今回の取引は非常に重要な意味をもつだろう。」

HSBCの韓国代表は以下のように述べた。

「HSBCが韓国初のブロックチェーンを活用したL/C取引を完了できて嬉しい。韓国は世界の5大輸出国として、貿易のデジタル化で重要な役割を果たすことができるだろう、またHSBCが重要なパートナーになるだろう。」

HSBCは、昨年5月にVOLTRONによる画期的な信用状取引プラットフォームを開設した。今回の取引は、ブロックチェーン技術がアジア全域で良い反応を得ていることを示している。

HSBCは同ブラットフォームの商用化が最大の目標であり、ブロックチェーン技術の活用範囲を広げるため、市場とパートナーを探している。VOLTRONコンソーシアムはブロックチェーン技術を活用して、競争上の優位性を得ようとする韓国やベトナムの銀行、企業などと継続的に協力していく意向だ。