2019年8月2日、ブロックチェーン技術の導入コンサルティングを行うBlockBase株式会社は、株式会社DiGITAL ARTISAN、株式会社MiraCreative とのコラボレーションを通じ、NFT(Non-Fungible Token)を活用した3Dデータの価値向上に向け、実証実験を行うと発表した。

NFTとは、お互いに代替することができない独自性を備えたトークンだ。

今回の実証実験では、DiGITAL ARTISAN社が提供する3D全身スキャナー『Super Light Photo 3D Scanner』を利用して3Dコンテンツデータを生成し、生成されたデータの二次創作権証明書をBlockBase社がブロックチェーン上で発行されるトークンであるNFTとして発行する。NFTの所有者は、トークン内に記載された使用許諾・ライセンス情報の範囲内で、データの改変、商用利用をする権利が保証されるという。

ここ数年で、VR・ARなどXR技術は著しく発展し、ユースケースも増加している。そのため3Dコンテンツのデータはより身近になってきている。しかし一方で、3Dデータは複製可能であり著作権・肖像権保護やマネタイズに問題がある。

このような課題は3Dデータだけではなくデジタルデータ全般に言えることだろう。

3社はデジタルデータの価値向上には、「誰が創ったのか」や「誰がどのように使用できるか」が重要であるとする。課題に対し、ブロックチェーン技術を使うことにより、データの来歴(作成者や改変者などの情報)と権利保有者を明確にする。このような取り組みを通して、3Dデータの価値向上とそれに伴うクリエイターへの利益還元や創作活動の活性化を図るという。

実証実験では、3Dコンテンツデータの二次創作権をブロックチェーン上で発行されるトークンとして販売。トークン保有者は、3Dコンテンツデータの改変や二次創作への活用が許諾されることがトークン内に明記されており、トークン保有者は著作者や管理団体に対してその都度使用許諾を得ることなく、これらの権利を行使できるようになる。

トークンに明記される情報

「誰が創ったのか」

  • データ作成者の情報
  • 作成日時や期間
  • データ改変者の情報

「誰がどのように使用できるか」

  • 使用許諾・ライセンス情報
  • 発行数

これらの情報は専用のビューワーで誰でも閲覧可能になり、トークン保有者はURLをWEBサイト・動画概要欄・SNSなどに貼り付けることで、正当な二次創作権の保有を証明できる。

今回、3Dモデルとしてデジタルハリウッド大学学長の杉山知之氏や株式会社CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏が参加する予定だ。

今後は、NFTと3Dデータの取引プラットフォーム開発し、より多くのモデルやクリエイターとコラボして3Dデータの価値を高めていく。

今まで目に見えなかった、撮影者・加工者・被写体・ダンサー・声優などデジタルコンテンツ作成に携わった人の情報が作品の一部として楽しめるような世界観を目指すという。

3DデータをNFT化することにより、複製ができない唯一無二のモノを仮想現実空間で取引することも現実にできるようになる。なぜならブロックチェーンは改ざん耐性とトレーサビリティという特性を持っているからだ。

最近ではそういった特性を利用したバーチャルファッションなども登場している。2019年5月、ブロックチェーンで作成されたデジタルドレスがニューヨークのEthereal Summitで9500ドル(約100万円)で落札されている。

こういった背景には、生まれた場所や性別、体型など様々な価値観に縛れない、つまり現実での制限がない自己表現をしたいという新しい欲求があるのかもしれない。

3Dデータのみならず、モーションデータや音声データなど様々な形式のデータを同様の規格でNFT化することで、それぞれの権利が保証され、データの価値が高まる仕組みやエコシステムが構築されれば、新しい自分を仮想現実空間にアバターとして作ることも可能だろう。これはハリウッド映画「レディ・プレイヤー1」が描く世界への一歩となるのだろうか。