暗号通貨マネーロンダリング(資金洗浄)対策で国際連携が動き出す。2019年8月9日、日経新聞がニュースとして報じた。

FATF中心に新システムを開発

マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)が中心となり、送金時の個人情報を共有できるシステム(暗号通貨版SWIFT)を開発し、AML/KYCに関して犯罪防止のための国際的な連携を進める。

暗号通貨に関する国際的な連携に関しては、2019年6月、主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、暗号通貨交換業者に対して登録制や免許制の導入を進める方針で一致。また当局によるより厳格な監視などについても一致している。

新システムは現在銀行などが国際送金で活用しているSWIFTを参考にし、顧客の口座番号や住所などの情報を即時に共有し、当局も把握できるようにする。また日米欧の主要7カ国(G7)やオーストラリア、シンガポールなど約15カ国が中心となり、20年に具体策をまとめ、数年以内の稼働をめざすという。

暗号通貨の特徴が活かせない可能性

今回のように加盟国におけるVASP(暗号通貨交換業者など)間の国際連携を進めた場合、加盟しない取引所への送金も制限される可能性もある。

政府による国際連携が進むことにより、暗号通貨が持つ「非中央集権」や「P2P送金」といった特性を活かせない可能性もあり、結果として既存の金融サービスと同様の利便性に落ち着いてしまうかもしれない。

また市場に関しても「KYCを必須とする安心・安全な取引所間の市場」と「FATFガイダンスの完全な外となるP2P市場」と2極化する可能性もあり、後者には同じようなマネーロンダリングの問題がついて回ることになる。

国際的なルール作りはスピードも必要だが、慎重に進める必要があるだろう。

一方で各国が足並みを揃えて登録制や認可制の導入を進め、現在のSWIFTに参加している既存金融機関にとって参入障壁が低くなるのであれば、市場参加者が増加し暗号通貨市場に健全性と安定性をもたらす可能性もある。

日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48412970Z00C19A8MM8000/