2019年9月16日に開催された、TBGC(Tokyo Blockchain Game Conference)で、Enjinの櫻澤謙氏が登壇した。

同氏はプレゼンテーションで「Enjinエコシステムとデジタルアセットに裏付けされた価値」について話をした。

Enjinは2009年に創業されたゲームコミュニティ企業だ。その登録ユーザー数は約1,900万人に上るとされており、世界有数のゲームコミュニティ運営企業である。同社は2017年頃からブロックチェーン技術を積極的に取り入れている企業でもある。

Enjinの技術を利用したブロックチェーンゲームは、既存のゲームに近い形のdAppsを構築できる技術として注目を集めている。Enjinはすでに「Enjin Craft」「War of Crypto」「Forest Knight」などのゲームを既に発表している。

中でも「War of Crypto」は、ERC1155と呼ばれるEnjinが開発したイーサリアム規格のトークンを用いており、それによりERC1155が注目を集めている。

一般的には、ETHのブロックチェーン上で発行されるトークンはERCと呼ばれるトークン規格に則っており、現在の多くのdAppsやICOなどはETHのブロックチェーンを利用しているため、トークンは全て「ERC」という規格で発行されている。

今回のプレゼンテーションの内容である「Enjinエコシステム」は、ERC1155を活用したブロックチェーンゲームによって発展していくという。このERC1155を利用することで以下のことが可能となる。

  1. ブロックチェーンゲームのプレーをより快適に
    ERC1155を使用することによって複数のアセット(キャラクターやアイテム)を一括で送信することが可能になり、ゲームアイテムのトレードに必要なコストを大幅に削減でき、ゲームプレーをよりスムーズに行うことができる。
  2. 失われた収入の回収
    キャラクターやアイテムがサードパーティのマーケットプレイス、プレイヤー同士でのトレードまたは販売されるたびに、転送料を請求することができる。
  3. 新しいクラウドファンディングモデルを活用
    ブロックチェーンゲーム内の資産(キャラクター、武器、アイテム、不動産やその他のゲーム資産)を事前に作成し、ゲーマーへの報酬として提供することができる
  4. ゲームコミュニティーを成長
    ユーザーのオンライン活動と引き換えにゲーム内の資産を提供することで、マーケティング自体をゲーム化する
  5. マルチバースゲームの作成
    プレイヤーがゲームの続編や全く異なるゲームでキャラクターやアイテムを使用およびレベルアップし、他のスタジオと協力して同じことを図ることができる

ERC1155 の規格やサイドチェーン・オフチェーン技術を駆使したゲームが誕生することにより、既存のゲームをプレーする感覚でお金を稼ぐということが実現するかもしれない。ブロックチェーンゲームの作成と、管理に必要なものすべてを提供し、ブロックチェーンコードを1行も書く必要もなくなる。

櫻澤氏はプレゼンテーションで以下のように述べた。

「今後、もしかするとブロックチェーンゲームが普及・技術発展していけば『レディ・プレイヤー1(2018年に公開された米国のSF映画)』のように、ゲーム内でお金を稼ぎ、アイテムを購入したものが現実世界に反映されるような時がくるかもしれない」