世界最大の高級ブランドコングロマリットであるLVMHグループは、傘下に数々の有名なブランドを持っている。ブロックチェーン技術を使い、自社製品のトレーサビリティプロジェクトを進めているという。

同グループは、ルイ・ヴィトン(Louis・Vuitton)を筆頭に、クリスチャン・デイオール(Christian Dior)、ドン・ペリニヨン (Dom Pérignon)、ウブロ(Hublot)など、60以上のブランドが名を連ね、2018年、LVMHグループの利益は約53億ドルに達した。

しかし、EU Observatoryの報告書によると、衣類、アクセサリー、靴などの模造品が出回ることにより、EU 全体で年間約285億ドル以上損失を被っており、約36万人もの失業者を出ているという。
その中でも、高級ブランドの被害が一番大きく、購買者は、商品が本物かどうかは見極めることができないため、その品質を疑うようになっている。こういった背景から、高級ブランドの価値と信頼は落ちてきている。

また、安価な模造品は、EUにおけるファッション業界売上の約10%も占め、高級ブランドの収益減少に繋がっている。それが労働需要を押し下げ、多くの一時解雇者を出し、深刻な失業問題をもたらしている。

LVMHグループの「AURA」は、上記のような問題を解決する手段になるかもしれない。

同グループが開発しているプロジェクト「AURA」の計画によると、ブロックチェーンを活用したトレーサビリティプラットフォームを2019年5〜6月に運用をはじめる。まずは高級ブランドであるルイ・ヴィトン(Louis・Vuitton)と香水ブランドであるクリスチャン・デイオール(Christian・Dior)から導入し、その後、グループ傘下のブランドにも拡大する予定である。

CoinDeskによると、LVMHグループは1年以上運営されているブロックチェーンチームを募集し、現在、Ethereumブロックチェーンソフトウェア開発会社Consensysとマイクロソフト(Microsoft )と「AURA」を共同開発している。

「AURA」は、 ERC-712を使用し、Quorum技術を採用している。ERC-712はEthereum(イーサリアム)ブロックチェーンにおける、スマートコントラクトの規格の一つだ。スマートコントラクト内でNon-Fungible Token(ノンファンジブルトークン、以下NFT)を扱えるようになり、イーサリアムブロックチェーン上で、NFTの所有権や取引履歴を記録することができるようになる。

これにより、「AURA」は、製品が本物であると証明することができるという。ハンドバッグであれば、ワニ皮の原産地、その品質、販売店舗、アフターサービス、中古市場までも追跡可能となる。また次のステージでは、知的財産権の保護、数量制限の商品販売、販売促進イベント、偽物の広告防止などについてもカバーできるという。

しかし、AURAだけが、「本物であることの証明」として動くブロックチェーンプラットフォームではない。ArianeeVechainのような、ブティックの起源と出所を追跡するプラットフォームも存在する。

LVMHグループは


「ブロックチェーンは第三者を介在させずにお互いを信頼することを可能にする技術だ。ブランドとパートナー間に『本物であることの証明』は両者で連携して行うべきだ。ArianeeやVechainのような仲介者が存在する必要はない。」

とした。

LVMHグループは、「AURA」を競合他社に対して「ホワイトラベル」の形でサービスを提供する予定である。 つまり、「AURA」は独自のアプリケーションを開発するのではなく、競合ブランドにテクノロジーを提供し、各社でアプリケーションを作成させることとなる。

また、競合ブランドの使用を促すため、LVMHグループは、知的財産権を分割し、競合他社と対等に出資するなどの方法によって、同グループから独立した会社を作るとしている。競合他社が不安視する企業秘密や顧客情報の漏洩など、Quorumのデータプライバシー技術によって、守ることができるという。

https://www.blocktempo.com/lvmh-use-blockchain-to-track-luxury-goods