欧州最大のクリプトコミュニティのあるスイスでビットコイン決済が増えている

スイスの5つ星ホテル、「ザ・ドルダーグランド(The Dolder Grand)」と自動車販売ディーラーの「オートハウス・ケッセル(Autohaus Kessel)」は、ビットコインイーサリアム暗号通貨決済受付を5月1日より開始した。

ザ・ドルダーグランドはスイスの金融中心地チューリッヒにあり、ケッセルもスイスの「クリプトバレー」と呼ばれるツークを拠点としている。
この2社は、決済ソリューション企業「Inacta」が暗号通貨ゲートウェイ開発の「Bity」と協力し、開発した店舗向けの暗号通貨決済アプリ「Inapay」を介して暗号通貨支払いを受け付ける。

Inactaの暗号通貨技術リーダーであり、スイスビットコイン協会会長ルーカス・ベッツチャート(Lucas Betschart)は、ツイッターで「ビットコインが決済手段として復活した」と投稿し、ビットコイン人気の回復を歓迎した。

リリース文:https://www.dolderhotelag.com/app/uploads/2019/05/Medienmitteilung-Bitcoin-D.pdf

暗号通貨市場低迷によって、投資家の行動は変化した

こうした動きは、暗号通貨市場の停滞が続いたことで投資家の行動が大きく変化したことが要因だ。

現在、回復の兆しを見せているビットコイン市場ではあるが、直近までの下落相場はビットコイン史上で最も長く続いており、ビットコインは売買から保有、蓄積へと投資家の行動を変化させた。
投資家の行動が変化したと言っても、高級スイートルームやフェラーリなどの高級クラシックカーが暗号通貨で支払われることは稀だろう。
それでもクリプトバレーは、依然として暗号通貨成長の拠点となっている。

クリプトバレーの暗号通貨とブロックチェーン関連のビジネスコミュニティは、ヨーロッパで最も急成長しているテックコミュニティとして2018年12月にランクインし、規模を拡大し続けている。

スイスは実用面でもクリプトリーダーになれるか

暗号通貨を優遇する規制が認められたことでクリプトバレーでの活動は盛んになり、議会もこの状況に対応し始めている。
2019年3月下旬、スイス議会では、マネーロンダリングやその他の違法行為防止のため、暗号通貨を新たに金融法に盛り込むことついて投票が行われた。
暗号通貨を所持するどうかに関わらず、ビットコイン決済を進める企業の水面下での動きは人々にとってより重要になるだろう。

同年3月上旬には、スイス版アマゾンとして知られるEコマーススイス最大手である「Digitec-Galaxus」がビットコイン決済の受入れを開始している。
実は、Digitec Galaxus Group代表であるオリバー・ヘレン(Oliver Herren)は、ビットコインに対して筋金入りの批評家の一人だった。

また同社のチーフイノベーションオフィサーは、ビットコインのオンチェーン取引は従来の支払いサービスよりはるかに高価だと述べたことがある。
彼はビットコインの拡張性の欠如、すなわちVisaやMasterCardと同じくらい速くトランザクションを処理する能力の欠如について批判しつつも、以下のように述べている。

「ブロックチェーンはどれも十分な規模ではない。しかしブロックチェーンエコシステムがどのように機能するのかを理解するのに、私が十分な時間を費やしていないだけかもしれない。」

3月下旬から、同じくツークに本拠を置く暗号通貨金融サービスの「Bitcoin Suisse」は、チューリッヒ空港で長期広告の掲載を開始している。これにより多くの旅行者が暗号通貨決済や暗号通貨投資の広告を目にする。
この広告はチューリッヒ空港の国際線到着1番ゲート及びヨーロッパ線到着2番ゲートに設置されている。

Bitcoin Suisseはこの広告の効果について

「2020年までに、少なくとも約1100万人の旅行者や関係者がスイスに到着する際に我々の目標とメッセージを目にすることになるだろう。」

スイスは暗号通貨に対するいち早い規制により、ICOやブロックチェーン企業を誘致し注目を浴びた。しかし、市場の低迷を経験し、現在では暗号通貨決済をきっかけとして、実用化に向けた取り組みが生まれ始めている。

スイスは暗号通貨国家(クリプトネーション)として、既存の金融システムから新しい金融システムへ変革できるかどうか、今後も世界中から注目を浴びそうだ。

事業者によるビットコイン決済の受け入れは進むか

2018年は資産としてのビットコインはその価格を落とし続けた。そのため実社会への導入も低迷していたと言える。しかし2019年の暗号通貨相場を見ると、その勢いを取り戻しつつある。これは多くの人々や組織が暗号通貨に関心を持っているということを示しているのかもしれない。
スイスのBitcoin Associationの会長であるルーカス・べッツチャート(Lucas Betschart)は、事業者によるビットコイン決済の採用が高まっていることに期待を寄せ、以下のように述べた。

「ビットコインで支払うことで、お金を節約するような観光客を呼び込見たい。今後2年間、より多くのスイス企業でビットコインの受け入れが進むことを期待している。」

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