ロシア国営コングロマリット企業「ロステック(Rostec)」は、国内すべての情報システムをブロックチェーンへ移行することを提案した。ロシア大手メディア、コメルサントが報じた。

移行作業には5,585億〜8,500億ルーブル(約9,471億円~約1兆4,414億円)の投資が必要となるが、移行後5年間で1兆6400億ルーブル(約2兆7,879億円)の経済効果が見込まれるという。

5月23日、「ロシアにおけるデジタル産業について」というカンファレンスのセッションの中で、ロステックグループの開発企業ノボシビルスクソフトウェアシステム研究所(NIPS)がロシアにおける分散型レジストリシステム開発についてプレゼンを行った。

同社の登壇者は、分散レジストリシステムの使用は、ビジネスプロセスでも政府プロセスでも可能であると考えているとし、ロシア国内における情報システムのブロックチェーン移行の意義について以下のように述べた。

「分散型レジストリシステムの開発は、技術の経済的および社会的可能性の実現という点で、ロシア連邦の開発目標を達成するための手段として有効だろう。」

同社が発表したロードマップによると財務活動、産業、運輸および行政におけるブロックチェーン使用が視野に入れられている。例えば、地方自治体レベルでの投票や予算支出を管理する際に、すべての州の情報システムにおいて分散レジストリ技術の使用が提案されている。

ただし、これらだけでも90億~140億ルーブル(約152億〜237億円)の投資が必要となる。計画にあるすべての取り組みを実施した場合の費用総額は550~850億ルーブル(約932億~1441億円)に上るとされるが、その資金源についてはロードマップでは触れられていない。

あるロシア国内の専門家は、ロシアでのブロックチェーン導入において法的枠組みの欠如が重大なハードルになっていると話す。
ロシア暗号通貨ブロックチェーン協会(RACIB)のユーリ・プリパチキン会長は、業界における法規制の欠如を「ブロックチェーン導入への壊滅的な障害」と表現する。

また同氏は、こうしたロシア国内における法規制への対策について、ロードマップに記された2021年ではなく、さらに早い2019年末までに暗号通貨に関する法案を採択する必要があると自身の意見を述べた。