2019年6月3日、ブロックチェーンスマートコントラクトにおける、ハッキングの脆弱性・安全性を担保するセキュリティー監査企業「Quantstamp Inc. (米国)」の日本法人クォントスタンプジャパン合同会社は、ブロックチェーンを活用したドリームシェアリングサービス「FiNANCiE (フィナンシェ)」のセキュリティー監査を完了したと発表した。

Quantstampは、アーキテクチャレビュー、機能面のテスト、セキュリティー自動監査ツールを用いたコード及びテストコードのレビューを実施し、フィナンシェプラットフォーム(以下、FiNANCiE) におけるトークン発行や取引の流動性など複数のスマートコントラクト監査を完了したという。

また、マニュアル(手動)によるコードレビューを同時に実施し、フィナンシェ側の技術者と綿密なコミュニケーションを取る形でセキュリティー対策強化を実施。今回の監査完了によりFiNANCiEは現在のベータ版から、正式版のリリースへ一歩進んだ形だ。

Quantstampは、本社を米国・サンフランシスコに構え、今年2月より日本市場に本格参入。
フィナンシェとの取り組みは、同社にとっても日本における初の大型案件でもある。

フィナンシェCTOを務める西出飛鳥氏は、Quantstampとの技術的取り組みについて以下のように述べている。

「我々はブロックチェーンによって世界をより良くできる未来を確信している。一方で、どんな開発者でもブロックチェーンを扱うことができて安心してプロダクトをリリースできる、そんな環境にはまだ程遠いのも事実である。その要因の一端とはスマートコントラクトの自律性にある。一度動き始めたスマートコントラクトは止めることも変更することもできず、それゆえに信頼性を持つ。しかし、それは一度締結した契約が永続的、絶対的なものであることと同義だ。そのような契約においては、締結前に十分な推敲を行うことが欠かせない。対人でとり交わす契約書の推敲であれば弁護士に依頼をするのと同じようにスマートコントラクトの推敲を依頼できる、我々にとっての弁護士のような存在、それがQuantstampだ。」

Quantstampがセキュリティー面で支援するFiNANCiE (フィナンシェ)は、2019年3月7日にベータ版がリリースされたブロックチェーンを活用したドリームシェアリングサービスだ。
夢を持つ人(ヒーロー)と夢を支援する人(ファン)が出会い、夢の実現に向けて、一緒に活動していくコミュニティープラットフォームである。

夢を支援する人には、ファンに加えて「ヒューマンキャピタリスト」と呼ばれる実社会における投資家や著名人が存在し、現段階で約150名ほどが参加している。

ヒーローはカードをダッチオークション方式で発行し、マーケットプレイスにて取引をすることができる。ファンはヒーローカードを所有し、コミュニティーを通じてヒーローの様々な夢を支援していく仕組みだ。

今回FiNANCiE (フィナンシェ)のプラットフォームにとってセキュリティがなぜ重要であったのか。

発表によると同ブラットフォームにはブロックチェーン技術が採用されている。このようなブロックチェーンサービスはDApps (Decenralized Application: 分散型アプリケーション)と呼ばれ、非中央集権な形でプラットフォーム運営を行うことを可能としている。

FiNANCiE でヒーローが発行する「ヒーローカード」は、イーサリアムのブロックチェーン上にて「ERC-20」を用いた形で発行・取引が実行されるという。
ヒーローカードの取引やユーザー(ファン・ヒューマンキャピタリスト)の保有証明が常にブロックチェーン上で管理、公開されるため改ざん耐性や透明性を備える。

しかし、このような改ざん耐性や透明性といった利点がある一方で、スマートコントラクトの脆弱性を狙ったセキュリティーの攻防があるの事実である。

スマートコントラクトのセキュリティーに強いQuantstamp社が同プラットフォーム上における発行や取引等の際に生じる、スマートコントラクトのセキュリティー担保を担うことにより、高いレベルでのセキュリティー向上が見込めるようになる。

両社の取り組みに対し、株式会社フィナンシェの代表取締役である田中 隆一氏は以下のように述べている。

「FiNANCiEは、10億人の自己実現を応援し合うコミュニティープラットフォームの実現を目標としている。世界中の誰にでも使ってもらえるサービスになるため、高いレベルにてセキュリティー信頼性を保つことは必須条件と考えていた。その上で、ブロックチェーン・スマートコントラクトの監査領域においてグローバル・リーディング企業であるQuantstamp社とコード監査パートナーシップを組めたことは、我々にとって非常にありがたい事であった。ブロックチェーンの堅牢性に加え、今回の取り組みを通じ、より安心・安全なプラットホームを目指していきたい。」

また、クォントスタンプ・ジャパン合同会社の小田啓氏は以下のようにコメントした。

「FiNANCiEがアプリケーションとして機能することは、日本のブロックチェーン業界におけるビジネス・技術両面において、重要なターニングポイントになると信じている。
今後、FiNANCiEのようなDAppsが社会浸透してく中で、プロダクトの安全性を保障し、如何に安心して、誰でも利用できるサービスを作り上げていけるか、業界にとって大事なポイントであると感じている。今回、その分野において両社が協力し、無事監査を完遂することができ、非常に嬉しく思っている。 この取り組みが先例となり、今後のブロックチェーンサービスが世に広まる架け橋となれば幸いだ。」