2019年7月3日、フェイスブックの独自暗号通貨リブラ(Libra)」の開発を率い、子会社でウォレット開発を担う「カリブラ(Calibra)」のトップでもあるデビット・マーカス(David Marcus)氏は自身のフェイスブックページで「Libra, 2 weeks in」というタイトルで文章を掲載した。

その中でマーカス氏は、発表から2週間が経ち、その間に多くの対話が行われてきたこと、リブラのビジョンやアプローチをたくさんの人々が好意的に受け入れてくれたことを心強く思うと同時に、いくつかの誤解や質問が出てきたと述べた。

文章の冒頭で、Facebookが、Libra Associationの創設メンバー28社のうちの1つに過ぎないことを強調した。リブラの計画を早期に発表したことやコードベースを世界に開放したことは、規制当局や中央銀行など世界中のあらゆる組織と意図的に議論を奨励するためだったと明かした。また彼らが目指すオープンな金融サービスを構築するためには、それが唯一の方法だと述べた。

彼はこの2週間で出てきたリブラに対するいくつかの質問に回答した。

リブラは本当にブロックチェーンなのか?オープンでもなく分散もしていない

リブラにおける最初のメカニズムは、誰でも合意アルゴリズムに参加できるBitcoinのようにはオープンではない。しかしLibra Blockchainは絶対にオープンになるように設計されている。「分散化」はブロックチェーンの基本原則であるため、数年後には移行することを約束する。しかし、運用上専門知識があり信頼できるエンティティと始めることが重要だった。また地理的、または多様な業界にリブラメンバーとなる100の組織が分散していると主張する。

リブラ・アソシエーションの憲章がまだ制定されていないのはなぜか。

フェイスブックが一方的に憲章を書き、新しいメンバーにそれを批准させることは可能だ。しかし、これはリブラアソシエーションの創設と運営化へ対する我々の精神に反していることになる。ガバナンス規則の設定、専務理事の選任、および他の重要な決定を単独で行うべきではないという、難しいプロセスに参加することを創設メンバー全員が望んでいた。

ファイナンス・インクルージョンという重大な問題についてリブラは本当に取り組むことができるのか?

これに関してはリブラの発表以来、多くの意見が寄せられた。誰かが銀行に預けられない主な理由は実際に銀行に預けるほど十分なお金がないということであり、Libraはこれを解決しないであろうという意見は特に印象的だ。
銀行口座を開設するための資金がないだけと主張する人々は、現代の金融サービスには使い道がないと言っているわけではなくただ余裕がないと言っているに過ぎない。そのため、身近にある法外な料金を請求するサービスを使用することを余儀なくされている。リブラは40ドルのスマートフォンを持っている人なら誰でも、資産を保護し、世界経済へアクセスでき、安い手数料で送金、そしてあらゆる種類の金融サービスを利用できる。リブラが成功すれば、何十億の人々にとって有益なものになると確信している。

規制当局や議員と議論をする予定はあるか?

規制が非常に厳しい業界であるため、規模の大小を問わず話している。これが正しく行われないと、誰もが望んでいない体系的なリスクが生じる可能性がある。我々はマネーロンダリングテロ資金調達など、既存の金融システムが戦ってきた問題をより改善するために規制当局、中央銀行、そして議員との共同プロセスにコミットメントする。 重要なことは、リブラ・アソシエーションがこれらの重要な問題に関して全ての利害関係者と積極的かつオープンに関与し続けるということだ。リブラはこのような問題を後退させるのではなく、より改善するものであるべきだ。

Facebookが金融サービスを管理することは信頼されるのか?

Facebookはリブラのネットワーク、通貨、またはそれを支える準備金を管理しない。 FacebookはLibra Associationの100以上のメンバーのうちの1つになり、特別な権利や特権はない。 リブラの恩恵を受けるためにFacebookを信頼する必要はない。そしてFacebookは、Libra Networkに対していかなる特別な責任も負わない。人々がカリブラのウォレットに好意的に反応することを願っている。我々と個人の金融情報を分離するという約束を守り、真の実用性を提供するために一生懸命努力する。

Facebookがリブラ事業を進める理由は何か?

何よりもフェイスブックのミッションに沿うものだからだ。世界をつなぐためにはコミュニケーションツールが必要だ。しかしテキストやビデオ、写真などを送れるが、多くの場合お互いに価値を簡単に移動させられない。経済的エンパワーメントはフェイスブックのコアバリューの一つだ。コミュニケーションの民主化のために多くのことを成し遂げてきたように金融サービスとデジタルマネーの分野でも手助けをしたい。実績はフェイスブック上の9,000万に及ぶ企業が証明できる。ただ一点重要な違いは、今回のリブラ事業ではネットワーク管理や通貨の運用を放棄するということだ。リブラが成功しても直接の利益はないが、フェイスブックやその姉妹アプリで売買が増え、広告需要がより増えるはずだ。またカリブラウォレットが長期的に支持されれば、利益につながる多くの金融サービスを開始することが出来るだろう。

マーカス氏は最後に様々なコミュニティやステークスホルダーと対話を楽しみにしており、ビジョンの達成のために時間をかけて尽力すると述べた。またリブラの正式ローンチまで、協調的かつオープンなプロセスになるように設計されているとも述べた。

今月予定されている米国上院と下院金融サービス委員会で証言できることを楽しみにしている。

David Marcus FB:https://www.facebook.com/davidm/about?lst=100003772195396%3A800665194%3A1562240259