2019年7月2日、ロシア最大手銀行ズベルバンクはロシア中央銀行の下で進められていた国家ブロックチェーン開発プロジェクト「マスターチェーン」からの脱退を発表した。

イーサリアムブロックチェーンをベースにした「マスターチェーン」は、ロシア中央銀行が主導し、ズベルバンク、アルファバンク、VTB、ライファイゼンバンク、オクトリティ銀行など銀行大手5社の参加の下、ロシアの金融技術開発協会(AFT)により開発され、2017年にローンチされた。

ズベルバンクのブロックチェーン研究所の責任者オレグ・アブドラシトフ氏によると、これまで開発を進めてきたマスターチェーンは非効率的で、安全ではなく、遅いという。なお現在マスターチェーンで実行中のプロジェクトについては継続とし、新たな取り組みについては行わないとしている。

またアブドラシトフ氏は今後のズベルバンクのブロックチェーンに関する取り組みについて以下のように述べている。

「マスターチェーンはズベルバンクのユースケースの要件を満たしていないため、今後のすべてのリサーチではHyperledger FabricQuorumなどのエンタープライズブロックチェーンプラットフォームを使用する。」

特に「マスターチェーン」の利用に適しない店頭取引や貿易金融、決済、住宅ローンなどに関連するプロジェクトに注力していく可能性があるとしている。

住宅ローンに関する取り組みについては、「マスターチェーン」のパイロットプロジェクトの中で銀行にとって非常に価値があるとする一方で、その成功については懐疑的だとした。

アブドラシトフ氏は、「マスターチェーン」での「住宅ローン向け分散型預託システム構築」プロジェクトについて、当初の計画では2019年7月上旬の稼働開始を予定していたが、AFTの対応の遅さに触れ以下のように述べた。

「新しいバージョンの分散型預託システムはまだプロトタイプも完成しておらずテストもしていないため、7月上旬の稼働開始は難しいだろう。」

また同氏は「マスターチェーン」が抱える問題の多くは、マスターチェーンが中央集権型であることに関連しているという。ビットコインやイーサリアムなどのパブリックチェーンと違い、「マスターチェーン」はAFTのメンバーにしか管理ができないことが大きな問題であるという。

ズベルバンクは既にHyperledger Fabricでいくつかのプロジェクトを実施しながら試行錯誤しているという。

例えばロシアの大手通信会社MTSとの債券証明書の発行プロジェクト、ロシアの新興コングロマリット投資企業インテロス等との買戻し契約の発行(証券取引の一種)プロジェクト、ロシア大手家電量販チェーンであるM.videoとそのサプライヤー間における貿易金融プロジェクトなどだ。

以前から度々報じられているように、ロシアの暗号通貨法案「デジタル金融資産に関する」は2019年6月末までに採択されるとされていたが、現時点ではまだ署名されていない。しかし多くの専門家はこの法案は近々承認されると予想している。

ソース:http://www.cnews.ru/news/top/2019-07-03_sberbank_raskritikoval_ofitsialnyj_rossijskij
ソース: https://www.coindesk.com/russias-largest-bank-is-quitting-central-banks-blockchain-project