シンガポールを拠点とする私設証券取引所「CapBridge」は、シンガポール金融管理局(MAS)とシンガポール証券取引所(SGX)及びブロックチェーンソフトウェア企業「ConsenSys」の技術的支援を受け、世界初であるセキュリティトークン取引プラットフォーム「1exchange(1X」を発表すると同時に1社の上場も発表した。

セキュリティトークンを最初に販売し上場したAggregate Asset Management(AAM)は、アジアで株式を管理することを主な事業としている。同社は2019年5月4日から約6週間にわたり資金調達をし、約400万ドルを調達した。これは同社の発行済株式の約7%に相当する。投資家は所有権の証明としてイーサリアムベースのセキュリティトークン(ST)を保有しており、「1exchange」で取引が可能だ。新しい投資家はシンガポールドル(SGD)を使って取引することができる。

1Exchange(1X)について

1Xは、シンガポールの私設証券取引所「Capbridge」によって設立されている。「Capbridge」はCapital Markets Services License(CMS免許)を持ち、シンガポール金融管理局(MAS)の規制を受けている。またシンガポール取引所(SGX)は戦略的パートナーでもあり、同社の株主でもある。また、1Xは Reccodized Market Operator(RMO)ライセンスを保有している。

日本企業だと、ヘルステック企業の「FiNC」が「Capbridge」を通じて2,500万ドルを調達している。

同社の目的は、非上場企業の株主価値を高めるため、より簡単で柔軟な方法を提供し、プライベートエクイティ投資家が容易に取引できるようにする場所を提供することだ。

現在の証券型トークンは、普通株式だが、将来的には優先株式や転換社債、その他の証券に拡大される予定だ。

ConsecSysによると、プラットフォームが現在の資本市場にあるギャップを埋めることができることを示しており、高額な手数料や費用がかかる従来のIPOやM&Aを必要とせず、企業に対し「部分的な上場による資金調達」という柔軟性及び選択肢をもたらす。

予定されている手数料は約定金額の2.5%、上場に関する手数料は年間3,600ドルだという。これは現在IPOにかかる費用や上場維持費(監査費用、弁護士費用、印紙税等)を考えると破格と言える。

1Xの利点は以下の通りだ。

  • Ethereumブロックチェーンをベースとしているため、同ブロックチェーンをサポートする世界中の取引所と連携ができ、投資家と企業を結ぶことが可能。
  • ブロックチェーンの性質上、投資家はデジタルウォレットを通じて取引情報を追跡できる。
  • プラットフォームの設計は証券取引所モデルに基づいているため、ブロックチェーンに慣れていない投資家も安心できる。
  • 企業や投資家に保証を提供するためにシンガポール金融監督局(MAS)の監督下にある。
  • シンガポールの規制によると、適格投資家は少なくとも年間22万ドルの収入と150万ドルの純資産を持っていなければならないが、国外投資家はKYCプロセスを通過するだけで、1Xプラットフォームで取引することが可能

ただし、1Xプラットフォームは主に有価証券にあたる資産クラスの取引を扱うため、トークンの保管は、関連する規制に準ずるシンガポール政府の許可を受けた第三者の管理人によって管理される必要がある。つまり、プラットフォームは投資家の秘密鍵を保持することも、資産ホスティングサービスを直接ユーザーに提供することもできない。

この問題に対応して、1Xは世界的なホスティングサービス会社である「Equiom Trust 」のビジネスパートナーとなることを計画している。

ここ数週間を振り返ると、Facebookの独自暗号通貨である「リブラ(Libra)」のホワイトペーパーは各国の規制当局の批判を呼んだが、「1exchange」というセキュリティトークンプラットフォームの出現はブロックチェーンと既存金融の融合となる一つのモデルケースとなるかもしれない。

https://www.blocktempo.com/singapores-stock-exchange-backs-new-ethereum-security-token-platform/