Xan Ditkoff(ザン・ディトコフ)氏
BlockstackにてProduction Partnerとしてグロースを担当。米系投資銀行、米国海軍、SaaS系スタートアップを経てBlockstackに参画。

同社は開発者向けツールキットおよびネットワークを提供しており、ネットワーク上にある開発済みアプリは260以上にのぼる。2014年にY Combinatorを卒業以降、Union Square Ventures、Winklevoss Capital、ハーバード大学ファンド等から資金調達。7月に史上初の米国SEC承認によるユーティリティトークンセールを実施。


読者の皆さんは、「Blockstack」という会社をご存知だろうか?

米国を本拠地としているので、もしかしたらご存知のない方もいらっしゃるかもしれないが、Blockstackには既に開発者が数千人、存在するアプリは260個程もある。Blockctack上のアプリで代表される「Graphite」「Dmail」「 Arcane」などは、我々が毎日使っている既存のサービスにブロックチェーンをアダプトしたものだという。

今回はユーティリティトークンセールにおいて米国SECの承認第一号ともなった彼らにインタビューを行った。既存のサービスと比較しながら、ぜひ「Web3.0」の世界を少しでも感じてもらえたらと嬉しい。


Blockstackは歴史があるプロジェクトで業界内では多くの人に知られていると思いますが、念のためプロジェクトについて簡単に教えてください。
そうですね。弊社は米国(ニューヨーク)が本拠地なのですが、日本ではご存知ない方も多いと思います。簡単に説明すると、Blockstack は開発者向けツールキットおよびネットワークを提供しており、そこでは、(ID やデジタルアセットをはじめとした)ユーザーデータについて、構造上、ユーザー自身がその所有権・主導権を100%持つアプリケーションを簡単に作ることができます。
ちなみにBlockstackに関わっている開発者数はどれくらいですか?
Blockstackの開発には数千人ほど関わっています。開発者の人数もそうなのですが、より参考になるのはBlockstack上に存在するリリース済みのアプリの数ですね。現時点で260にも及びます。これらのアプリは一人の開発者によって作られたものもあれば、スタートアップのような開発チームによって作られたものもあります。
開発者人数とアプリの数、どちらも多いですね!その中で、Blockstack上のアプリケーションで一番知られているアプリを教えてください。
1-2年前からあるアプリの中だと「Graphite(Google Docsの類似サービス)」がよく知られていています。また比較的最近リリースされたものだと、エジプトのチームが開発した「Dmail(電子メールアプリ)」やベルリンのチームが開発した「Arcane(地図やドキュメント編集の含む機能アプリのバンドル)」がメディアなどで徐々に知名度をあげているかと思います。中でも「Arcane」はインターフェースや構造も美しくデザインされていると私は思います。
今教えてくださったアプリは、既に私たちが身近で頻繁に使っている、Google Docs、Gmail、Google mapがあるので、比較した時に違いの実感が掴みやすいですね。Googleのアプリといった競合サービスと比べてBlockstackのアプリはどういった優位性・差別点があるのか聞かせてください。
もっとも大きな違いは、構造上ユーザーが自身のIDやデータを100%所有・コントロールできる点ですね。これはBlockstackの哲学・スローガンである「Can’t Be Evil」に基づいています。
「Can’t Be Evil」は長年Googleの企業哲学であった「Don’t Be Evil」に由来していて、Googleはかつてビジネス決断をする際に必ず企業哲学と照らし合わすようにしていました。ただし、この場合ユーザーはGoogleという企業が「Evil」ではないようにあり続けると努力するであろう、という前提に立つ(信頼する)以外選択肢はなかった。
実際、Googleのアプリは構造上「Evil」になることができる可能性・機能を備えています。加えて、創業以来Googleの企業哲学であった「Don’t Be Evil」の3語が、気づかないうちに全てのGoogle社内資料から取り除かれていることも個人的には少々不安なところです。
一方でBlockstackのアプリは構造上「Evil」になることは不可能です。万が一、よく使うBlockstackアプリの運営権がユーザーにとって悪意のあるような企業などに渡ったとしても、構造上、ユーザーのデータを悪用することができません。
ここでおっしゃっているEvilとは企業がユーザーのデータを所有して、マネタイズをしていることを指していますか?
もちろんそれも含まれます。ですが、最も「Evil」だと感じるのはユーザーと企業の権力バランスが企業側に著しく偏っているという点です。
例えばGoogle Mapsを使っている時(使っていなくてもスマートフォン内に入れている状態でも)、Googleは地図アプリを通してユーザーの全行動データを記録しています。それによりGoogleはアプリを使っている全ユーザーに対して、全行動を完全に監視できるシステムを保有しているというわけです。
対して、Blockstack上の類似アプリであるArcaneの場合、ユーザーが創出する全データはユーザーが完全に所有する自身のデータベースに保管される構造になっています。
Arcaneはユーザーが承認した場合に限り、ユーザーのデータベースに含まれているごく一部のデータ(位置情報)に暫定的なアクセス権をもらい、それをアプリ上に反映させている(地図上にユーザーの位置を見せている)構造になっています。ですからBlockstack上にある全てのアプリは、独裁国家のように人々を監視するシステムを完全に排除しています。
「Don’t Be Evil」ではなく「Can’t Be Evil」このワンフレーズで、BlockStackのヴィジョン、ブロックチェーンの利点をどうアプリに反映されていて分かりやすいですね。一方でデータをユーザーが所有することに共感はできますが、利便性との両立が難しいようにも思えます。
仰ったような方法でデータ所有権をユーザー側に戻すとき、ユーザーにとってUXが非常に難しくなる(例えばクリプトの秘密鍵を紛失したケース等)ケースが多いと理解していますが、Blockstackのユーザビリティについて少し教えてください。
喜んで。すでにリリースされているBlockstackを使ったアプリを試していただければわかると思いますが、使い始めるのにほとんど手間がないと思います。UXの観点だけでいうと、ユーザー登録・ログインといったID登録・認証プロセスはFacebookやGoogleが提供するもの(例 Facebookでログイン)とほとんど変わりません。
クリプト系サービスにおいて、現時点でより多くのユーザー利用を妨げている最大の障壁の一つは秘密鍵の管理です。こちらに関してはおそらくそれぞれのユーザー層のニーズに合った様々なサービスがリリースされていますが、より一層今後は増えてくるだろうと思っています。
業界内では「Not your keys, not your crypto」というフレーズがありますが、私自身は秘密鍵を100%自分で保管するリテラシーも意欲もあります。ですが、私の父親は70歳の引退した医師です。例えば父親や彼と同様のユーザー層は必ずしも私みたいに100%秘密鍵を保管するリテラシーがあるか、自分で秘密鍵を100%管理したいかどうかと問われると、必ずしもそうではありません。
業界内を見渡してみると、こういったところを解消することに焦点を当てた様々なソリューションがリリースされています。例えば、「Argent Wallet」というサービスでは「Guardian」を任命することで秘密鍵を分散保管しています。
また「Casa」では「シェアード(共有)カストディ」という形を取って、ユーザー自身が秘密鍵を管理しながらも、仮に秘密鍵の一部に紛失などでアクセスができなくなってしまっても、秘密鍵の復元方法を提供しています。こういった事例から、ユーザー自身にデータ所有権の一部を共有することに抵抗がなければ、所有権の全てを放棄しなくても、よりフレンドリーなUXを享受できる世界に少しずつ近づいていると思います。
もちろん100%所有権を手元においておくことも可能です。個人的には0か100かというような完全に所有権を放棄するかしないかという2択ではなく、多様な選択肢がある世界が存在することが一番重要な事だと思います。
私もユーザビリティやそれに対する選択肢の存在がすごい大切だと思っていて、共感します!そもそも使われないと意味がないとも思っているので。日本は自分の秘密鍵を持たないとダメみたいな考え方もあるけど、やはりセキュリティとユーザーフレンドリーのバランスが重要ですよね。
おっしゃる通りです。上で話したCasaのようなソリューションで一番エキサイティングなポイントは、最終的にユーザーに主導権がしっかりあることです。
私の知る限り、ビットコインのマキシマリストも、「シェアードカストディ」という形にはなりますが、Casaが提供するユーザーセントリックな価値はよく思っている方が多いと感じています。このような方法で、完全にデータ所有権を放棄せずに、良いUXを享受できる機会は今後どんどん増えていくと思います。
少し話が変わってしまいますが、実は昔からNYのコンセンサス行っていて。その時からBlockstackってブース出してましたよね?ついこの間までそこでもらったBlockstackのウェブキャムカバーを使ってました。
ありがとう!僕もニューヨーク出身だからどこかですれ違っていた可能性が高いですね!
ブロックチェーン領域が長いと思いますが、そもそもこの領域に興味を持ったきっかけを教えてください。
この領域にいる全員が、それぞれストーリーがあると思います。私の場合は、2015年にサンフランシスコで働いていた時に、ジョンズホプキンズ大学時代の親友であるパトリック・スタンレー(Patrick Stanley:現Blockstack Head of Growth)とこれから新しく何かしたいなと当時話していたことが最初のきっかけです。
というのも、サンフランシスコでは面白いことがいっぱい起きていましたが、我々2人が探し求めていたのは大きなチャレンジに挑むことができ、かつ優秀な人たちが集まっている前人未到の領域でした。Patrickはブロックチェーン領域に取り組んでいたa16zの人と知り合いで、それがきっかけでBalaji Srinivasanに出会いました。
それまで私はビットコインについては聞いたことがある程度で、ホワイトペーパーを読んでみたはものの、既存の金融バックグラウンドを持っていたからか「非常に面白いな」という感想だけで、心底納得はできていませんでした。
いまでも覚えていますが、決定的な瞬間は2016年です。PatrickがBalajiをインタビュー形式のトークセッションを聞いた時です。セッションのタイトルは「The Machine Payable Web」です。いまでもYouTubeで閲覧しますが、そのセッションが私にとってはビッグバン的な瞬間でしたね。
内容は、ビットコインは単なるデジタルマネーやデジタルゴールドというだけではなく、世界中の人間がよりよく協働することを可能にするツールであり、初期のインターネットが目指した世界を実現できるというものでした。
そのトークセッション以降、完全にこの領域にハマってしまい、当時の仕事に使うべき時間を侵食するほど勉強しまくりました。Patrickは2017年初頭にBlockstackで働き始めていました。私自身は当初Blockstackにジョインする気は無かったのですが、ICOが盛り上がり始めた2017年前半にPatrickと話をする中でBlockstackを使ってアプリを開発している外部のチームを支援するファンディングスキームのアイディアを思いつきました。
今となっては、エコシステムファンドは数多く存在しますが、結果としてこのアイディアが「Signature Fund」という最初のエコシステムファンドとなり、気付いた時にはニューヨークに戻ってBlockstackの一員になっていました(笑)。
先ほど少しICOの話が出ましたが、BlockstackはSECの承認を初めて受けたユーティリティートークンセールと理解しております。最近改めてレギュレーターと関わり方は重要だと感じていますが、背景・関わり方についてもう少し教えてください。
もちろんです。Blockstackではかなりの初期段階で、規制周りは保守的に進めるという方針をとったことが功を奏したと思います。初期にそう決断することで、今まで取ってきたアクションに規制遵守という側面で「キズ」がつくことがなく、我々のトークンオファリングが史上初のSEC承認案件になることができたポイントだと思っています。
2017年にSECと会話を始めた際、トピックは資金調達関連ではなく、この領域についての啓蒙でした。ビットコインとは何か、ブロックチェーンとは何か、ブロックチェーンはテクノロジーとしてどういう特徴があるのか、どういう問題を解決できるのか。
規制遵守をするという決断をとって一番嬉しく思ったことは、多くの人々が思っていることと真逆かもしれませんが、当時からSECはしっかりとしたテクノロジーを持つチームやプロジェクトからブロックチェーンについて学習する意欲が非常に貪欲であったことでした。
これらの経験を通して大事だと感じたのは、規制当局に偏見を持たないことです。加えて、ブロックチェーンの技術を人々に使ってもらうなかで、規制を回避する・破る方法でしかユーザーに価値提供できないという発想だとうまくいかないと思っています。そうではなくむしろ規制やシステムに則った上で全ての人々にブロックチェーンを使ってもらえる方法を提供するべきだと思っています。
ブロックチェーンは今になってビジネスとして成り立ちつつあるけど、ICOバブル時は、言い方が悪いですが、プロダクトもなくホワイトペーパーだけで資金調達が容易に行われていた印象の中でBlockstackが規制に沿って注意深くプロセスを進めていたことは着眼点や先見性があるなと思いました。
そう言っていただけると嬉しいです。ここで重要なことは二つあります。一つはテクノロジーの改善や活用そのもの、もう一つはそのテクノロジーを提供するのにどのようなファイナンス手法やフレームワークがあるのかです。
前者のテクノロジーの話をすると、個人的にパーミッションレス(アクセス権が設定されていない)であることが最重要ポイントであると思います。というのも、ビットコインであれ、分散型アプリであれ、全世界全ての人がブロックチェーンテクノロジーに触れることができるべきだと思っているからです。
問題は前者とは全く別の論点になる後者です。このテクノロジーを改善・拡張・活用して新たな価値を作り上げるための資金調達をどうやってするのか。ここでも完全にパーミッションレスな手法に頼ることもできますが、一方で規制当局と協働することも可能です。私は規制に則ることが、長期的に見るとより多くの人々により早く価値提供をできると信じています。
なるほど。ついでにお聞きすると、いま感じている最大のチャレンジはなんですか?
私がこの領域に興味を持ったきっかけにもつながりますが、我々含め、この領域の多くの人は誰もやったことがないことをやろうとしています。Blockstackのミッションは新しいインターネットを作ることであり、それは決して小さなチャレンジではありません。大きなチャレンジだからこそ取り組む意義はあると個人的には思っています。
少し具体的な話をすると、米国ではBlockstackを使ってくれる開発者のトラクションはある程度のところまで来たと感じており、今までの努力の成果を実感し始めています。今後はエンドユーザーにいかにアプリを使ってもらえるか、付加価値のあるアプリを提供できる環境を作り、ブロックチェーンが幅広く普及する世界を目指して、どれだけ貢献できるかが最大のチャレンジであると思っています。
どういう世界・未来をBlockstackを通じて達成したいですか。
Blockstackで作ろうとしているものはユーザーセントリックな(ユーザーが中心にある)インターネットです。「Web3.0」とも多くの人に呼ばれていますが、ユーザーに主導権があり、現実世界の一部が反映されたデジタルな世界を作ろうとしています。
少し掘り下げて話すと、まず現実世界では人々のIDは人々に帰属しますし、アセットの所有権もしっかりIDに紐づけられていて、それらのアセットを使っていろんなことができます。
しかし、現在のデジタル世界では、現実世界の正反対で、アセット所有権のみならずIDもユーザーに帰属していません。封建社会のような仕組みになっていると感じます。
データひとつをとっても、今のデジタル世界は、GoogleやFacebookのデータサーバーにロックされている。だから我々は、ID・アセットをユーザーがしっかり所有していて自由に使える、オプトインが前提となっているデジタルな世界、つまり現実世界により近いデジタル世界の実現に向けて動いています。
デジタルな世界の仕組みが封建制。。。面白い観点ですね。言われてみれば確かにそうかもしれません。
はい、加えて今まではユーザー側の視点で話してきましたが、サービス提供側(企業側)に対しても付加価値を提供できると思っています。それは既存のインターネットの体制をより強固にするものであると思っています。
EquifaxやCambridge Analyticaのようなデータ流失は今後も続くでしょうし、そういったケースから見て取れることは、データは日に日に価値を増しているという事実です。既存のインターネットの枠組みだとサービスを提供するのにデータを中央管理することが前提となっていますが、このように膨大な量のデータを集中管理しなくてはいけないサービス提供者(企業)にとってはより責任が増していきます。
それは自然とハッキング攻撃のターゲットになることも意味しています。Blockstackを活用していただければ、今まで通りのサービスをよりセキュアな形で提供でき、データ管理の重責を追わなくて済みます。
既存のインターネットであれば一つの鍵をこじ開けることで、仮に1億人ユーザーがいるとしたら、構造上1億人の鍵を開けることができます。一方でBlockstackが目指す世界は1億人の鍵をこじ開けるためには1億個の鍵をこじ開ける必要がある世界です。またBlockstackで提供される鍵自体もより高度なセキュリティーを持ったものと自負しています。
18ヶ月後のブロックチェーン領域はどういう状況になっていると見てますか。
個人的に注視している領域が二つあります。
一つは「DeFi」です。今後乗り越えなければいけない障壁がいくつもあるものの、フォローしがいのある領域だと思っています。いまの状況は宇宙開発をしているようなもので、「Banking the Unbanked」というよりは「Unbanking the Banked」という状態に近いと思います。(笑)
普及を促すためにやるべきことは多いと思いますが、担保率を下げることは普及のための絶対条件だと思います。そもそも1を借り入れるために1.5から2を担保に入れる必要があること自体が、一般ユーザーにとって受け入れ難くかつ使いたいと思わせるサービスではありません。
こういった問題が解決されるようでしたら、DeFi領域でより一層いろんなソリューションがリリースされ、ひょっとしたらDeFiがブロックチェーンの幅広い普及における火付け役になるかもしれません。
もう一つは「ゲーム」の領域です。特にアジアではポテンシャルが高いと思っています。先日のKorea Blockchain Weekを通じてゲーム事業者がどういうサービスに注力しているかを目の当たりにしました。
リリース直前の非常に興味深いタイトルも多く、一定程度の普及があってもおかしくないくらいの内容であり、UXとしても充実しているものでした。
更にカカオやサムスンのような巨大なユーザー基盤を抱えているプラットフォーム上でディストリビューションされるものも多いので、今まで全くブロックチェーンや暗号通貨に晒されていなかったユーザー層にリーチできるという側面も普及しうる要因かと思っています。
それを聞けて嬉しいです!というのも、数ヶ月前ニューヨークに行ったときに、DeFiの関心は高かったですが、ゲームに対する関心はかなり薄かったもので。 日本の中で今急成長しているゲームプロジェクトがたくさんあって注目して欲しいと思っていたので!
そうだったのですね。個人的な意見になってしまいますが、その要因としては、米国は技術周りにフォーカスする傾向があり、ベースレイヤーのプロトコルやDeFiで活用される特定のスマートコントラクト技術などの開発は強いと思います。
日本や韓国といったアジアにおいては、ベースレイヤーの上にクリエイティブなサービスを作ることに重点を置いているようにも思います。既存のモバイルゲーム市場にも反映されているように、より幅広く受け入れられている気がします。先ほどおっしゃったDeFi・ゲームに対する温度差は、テクノロジー・サービスのポテンシャルの大きさの違いというより、根本的な市場間にある文化の違いなのではないでしょうか。
ちなみに、先日東京でブロックチェーンゲームのイベントを開催しました。昨年の参加者60名から今年の参加者は300名でした!
すごい成長率ですね(笑)
来年は参加者1,000名にできればと思っています。是非いらしてください!
喜んで!今回初めて日本に来ましたが、とても居心地がいい場所だと感じています。
インスパイアされた本・映画があれば教えてください。
本だと1999年に出版された『Sovereign Individual』は何度読んでも読み応えがあります。ビットコイン誕生よりもずっと前に出版された本ですが、現在問題になっている様々な事象を正確に予知していて、「Self-sovereignty(自己所有権原理)」について考えさせられます。
映画だと、実は黒澤明監督の大ファンなのです。黒澤明監督のテクニックは全ての映画の基盤になっていると思います。有名な『羅生門』でいえば、時系列順に映画を撮るという当時の概念をひっくり返して、「時間」ではなく「登場人物」というところにフォーカスを当てることによってストーリーにかつてない深みを出した、おそらく映画史上初の作品ではないでしょうか。ブロックチェーンとはなんの脈略もない話を熱く語ってしまいすみません。(笑)
とんでもないです!このインタビューではプロジェクトだけではなく個人にも焦点を当てることで、業界と読者の距離を縮め、より親しみを持ってもらうという側面もあるので。
そうだと嬉しいです。普段黒澤作品の話をすると「誰?」ってなることがほとんどですので。(笑)
でもここは日本ですよ!
確かにそうですね(笑)
あなたにとってブロックチェーンとは?一言・一文でお願いします!
一言でいえば「Permissionless」、一文だと「Global Permissionlessness」です。
世界中の個人が仲介者なしに繋がり、協働でき、結果として個のエンパワーメントを可能にする。私自身も独立性・自由を重んじる人間だと思うので、ブロックチェーンの技術がもたらす効果は絶大だと思っています。
ブロックチェーンの哲学に沿った人生ですね!独立性と自由という意味で。
いろんな意味でそうですね(笑)。余談になってしまいますが、私はニューヨークが好きなのと同じくらい自然が大好きです。大自然に触れることはもはや自分にとって理性を保つための必要条件と捉えていて、よく兄とロッククライミングに行きます。
我々人間は恐らく最も知性・心理が発達している生物であると同時に、動物としてのワイルドな側面もあると思っています。でもどちらのニーズも満たさないと完全に幸せではいられないのではないかと思っています。
ありがとうございます。最後の質問になりますが、インタビューに推薦するとしたらどなたですか?
推薦したい人は多くいますが、強いて挙げるならば、Blockstackを長らく応援していただいている、Lux Capitalのジョシュ・ウルフ(Josh Wolfe)氏でしょうか。
徹底的に考え抜く姿勢や一般常識に囚われないように努力する姿勢は素晴らしいなと思います。また暗号通貨やブロックチェーンのみならず、ビジネスのことであったり、物事に対する姿勢など、個人的には学ぶことが多いです。
本日はありがとうございました!

ここ数年、GDPR(一般データ保護規則)や個人情報に関する独占禁止法などの話題が多くなってきている。まさにこの課題に対する”解決策”を早い段階から研究し構築してきたからこそ、同社は多くの開発人数、説得力のあるプロダクトを数多く持てたのだと思う。

彼らの挑戦は新しいインターネットを作ることであり、それは決して小さなチャレンジではないだろう。しかしユーザーが「Can’t Be Evil」のコンセプトに対して深く頷く日が必ず来ると私は思う。


編集:TheNodist 編集部
写真:小山 雄司郎