國光宏尚(くにみつ ひろなお)氏
gumi代表取締役会長兼創業者であり、よむネコ代表、フィナンシェ創業者。
2007年にソーシャルゲーム運営会社 gumi を創業し、2014年に東証一部に上場。gumi ventures、Tokyo XR Startupsを設立。その後、主に北米のVR/AR企業への投資を目的としたVR FUNDの運営に参画。また韓国にてSeoul XR Startups、北欧地域にてNordic XR Startupsを設立。2018年、gumi Cryptos匿名組合を組成し、ブロックチェーン関連企業への投資を本格化。2019年には、ドリームシェアリングサービスを手がけるフィナンシェを創業。


今回のインタビューは、國光宏尚氏。

彼は東証一部上場のソーシャルゲーム運営会社gumiの創業者であることは読者もご存知かと思う。現在はVRゲーム『ソード・オブ・ガルンガンチュア』を展開するよむネコ、また次世代SNSでドリームシェアリングサービスを手掛ける「フィナンシェ( FiNANCiE )」のファウンダーでもある。

「リブラ(Libra)」で注目を集めたコンソーシアムチェーンだが、gumiは日本企業で唯 一、Kakaoが展開するコンソーシアムチェーン「Klaytn(クレイトン)」にも参加している。
國光氏は世界を視野に入れながらゲーム、XR、ブロックチェーンと様々なことを圧倒的な熱量をもって展開している。日本を代表するビジョナリーでもある彼はいったいどのような未来を見ているのだろうか。
「オアシス構想6カ年計画」と名付け、映画「レディープレイヤー1」を実現する世界観やそこに至るまでの経緯を聞いた。


早速ですが國光さん、國光さんがブロックチェーンに興味を持ったきっかけはなんで すか?私の記憶が正しければ、かなり懐疑派だった記憶が・・・(笑)
そんな國光さんがこの業界に対してポジティブな事をSNS上で発言され始めた時に嬉しかったのを覚えてますもん。
そうそう、僕は元々ブロックチェーンに興味なかったんですよ。自分のビジネスをやっていくときのポリシーやビジョンは、パラダイムシフトを大きなチャンスとして捉えるということ。この10年間のパラダイムは、とてもシンプルで「スマホ」、「ソーシャル」、「クラウド」でした。
この10年間で成功してきた企業は、既存にあったものをスマホファースト、ソーシャルファースト、クラウドファーストで置き換えてきていました。例えばメルカリは元々あったオークションをスマホファースト、クラウドで置き換えた。
つまり既存のものを新しいテクノロジーを使ってディスラプトしていったことが大きかったと思います。
では次のパラダイムはなんだろう?と考えた時に、間違いなく「XR、ブロックチェーン、AI」だと思います。ここに関して詳しくブログに書いたので見てもらうと理解しやすいと思います。

國光氏のブログ:「Web3.0、GAFAのその先!中央集権型からから自律分散型へ。情報のインターネットから価値のインターネットへ」https://note.mu/hkunimitsu/n/n6f0d258ad38e


当時、シリコンバレーで開催された技術系のカンファレンスで一番人気の話題はAI、二番人気にXRやIoTとかだった。だから僕からすると、シリコンバレーとかGAFAも誰も関わっていないような感じの技術はフェイクだと思ってしまっていました。そうなれば当然、仮想通貨は投機であると考えていました。ビットコインとかでまぐれ当たりはあるかもしれないけども。
絶対にザッカーバーグもラリー・ペイジもベゾズも同じこと思っていると感じたから、重要な技術として捉える必要もないだろうと思っていたのが元々でした。なんなら詐欺みたいにも感じていた(笑)
その状態からどんなきっかけで興味を持つようになったのか、気になりますね。
ある時、周りの人たちが「國光さん、否定しているけど仮想通貨持っているの?」と言われて「そんな詐欺も見たいなもん持つわけ無いやろ!」って返しました。そうしたら、「起業家で喰わず嫌いってどうなの」って言ってきたから「なるほど」と。「だったらとことん調べまくって、徹底的に批判してやろう」って思ったのが最初でした。(笑)
それで調べているうちに、「あれあれ?」ってなって、これってもしかしてザッカーバーグとかが気づいてないだけ?となって。さらに調べていくうちに、ハマっていった。(笑)
「徹底的に否定してやろう」のモチベーション、最高です(笑)どういうところに一番「あれあれ?」と可能性を感じたのですか?今までただの投機だと思っていたところからどのように違うなと思ったのですか?
僕自身がテクノロジーの未来の可能性を考えるとき「そのテクノロジーでなければ出来ないことがあるか」というのを重視しています。仮想通貨は今、第3世代だと思っていて、第一世代はビットコインとそのコピペ達。第2世代がイーサリアムとそのコピペ達、そして第3世代になって、本当に意味のあるものが多く出現してきています。
ブロックチェーンならでは、ってなんだろう?と考えた時に大きく3つあると感じています。それは「トラストレス、自律的、ディセントライズド」、「唯一性、トレーダブル、資産性」そして新しいインセンティブ設計としての「トークンエコノミー」の3つ。この辺が見えてきた時に「新しい!」って感じました。
トラストレスで自律的に動くディセントライズドなネットワークは本当に新しいと思った。信用保証をする主体がいなくて、各々が自分の利益の為に行動することで自律的にネットワークが成立する。しかも主体はなく非中央集権で行われている。GAFAを筆頭にしたプラットフォーマーが提供してきたのは「トラスト」なので、この部分をスマートコントラクトで担保できるようになると彼らをディスラプトできる大きなチャンスを秘めていると感じました。
なるほど。ご自分で徹底的に調べてから見えてくることって本当に多いですよね。
ブロックチェーンのスマートコントラクトで繋げられるようになってくると、いよいよ今まで、既存産業をディスラプトして成長し続けてきたプラットフォーマーのGAFAが喰われる側になっていく。
そして「唯一性、トレーダブル、資産性」これは僕らエンタメ業界に取って大きい出来事で、エンタメビジネスは元々はデータを売ってたんですね。音楽はCDに映像はDVDにして。しかしインターネットが始まってコピーし放題になった結果、違法コピーが溢れデータが売れなくなって、各社サービス業に転換していきました。これがブロックチェーン時代になっていくと、デジタルデータがコピーできなくなるので、データがアセットバリューを持つ。これはエンタメ業界にはすごくデカイところです。
そしてこれに付随して、トークンインセンティブも、ブロックチェーンならではだなと思っていて、これら「今までのインターネットには出来ないな」という所を発見してブロックチェーンの未来に確信を持ちました。
エンタープライズでのブロックチェーン活用が増えていく中で、個人的に金融領域も注目はしているものの、早く変化をもたらすのはエンタメ領域だと思っています。尚且つ、日本はエンタメ領域で戦える独特の文化や土台があるので世界の第一線を走っていきたいと思いますね。
そういえば、以前ご一緒に登壇したパネルで、國光さんが、欧米系のブロックチェーンと中華圏のブロックチェーンの話をされていましたが、興味深かったのでこの場でもう1度お聞かせ頂けますか?
今後インターネットは欧米圏のインターネットと中華圏のインターネットに完全に分かれていくと思っているんです。米中の覇権争いは更に激しさを増していくと感じます。
そう考えると、ブロックチェーンも欧米圏と中華圏では全く違うものが出てくると思う。欧米圏ではEthereumとかCosmos、Polkadotとかが有力だけど、中華圏では恐らくEthereumは禁止されてしまう。
そうなると今出ている中で有望なのは「Ontology」と「NEO」。EOSは中華圏と欧米圏のどっちにいくかわからない。加えて中華圏は中国政府によるコントローラブルなチェーンが出てくると思っています。
中国政府によるコントローラブルなチェーン・・・。ありえるかもですね。そういえばIOSTは國光さんとしてはどんな印象ですか?
どちらかというと、特化型のプロトコルは難しいんじゃないかなと感じています。普通に考えて、プロトコルは汎用的なものになってと思っていて、だからEthereumが強いし、Cosmosも大きくなると思っています。
メインネットが出たのは去年くらいで若いという部分もありますよね。
その辺はやっぱり勝負するには不利かも。イーサリアムはコミュニティーがあるし、EOSはお金もあります。OntologyとNEOは良い時期に上場して、コミュニティーとお金があるし、開発力もあるからそこは有利ですよね。
中国政府によるコントローラブルなチェーンと先ほどおっしゃっていたじゃないですか。それはやっぱりノードが少ないから管理しやすいとか、パブリックチェーンというよりかは、ほぼコンソーシアムチェーンとしてみているからですか?
そういうよりは、政府が本気でコントロールしようと思ったら、今の時点でもマイナーを抑えてしまえば良い話だから出来なくはないと思っています。そうなると、中国のブロックチェーンに関しては、ディセントライズドっていうものは無いでしょう。
だからコンセンサスはなんでもよくて、その上で何ができるかの方が大事。エンドユーザーにとって意味のあるプロダクトが作れる体制や作る気のあるチェーンが勝っていくことになると思います。
なるほど、リスクはどのプロトコルでも同じだから、ユーザーに受け入れられるやる気次第ということですね!
これから手がけていく事業がどのようにつながっていくか教えてください。
最初に始めたのが「gumi cryptos」というファンドです。これは30億円くらいのファンドでサンフランシスコを拠点としています。今まで計16社くらいに投資しています。このファンドは、結局「ブロックチェーンならでは」とは何だろう?みたいな部分を狙って投資から入ったものです。
ただ投資をやっていくなかで、ブロックチェーンは凄く複雑だなと感じました。僕らはVR・ARもやっているでしょ?XRは基本的な技術スタックやサービス設計はスマホと一緒なのです。でもブロックチェーンでは、そもそもSolidity、スマートコントラクトみたいな技術的部分に加えて、トークンのインセンティブ設計も重要になってきます。
なるほど、トークンインセンティブのところも考えなくてはいけないですもんね。
そうそう、トークンの設計の部分も難しいし、全部がややこし過ぎるから、とりあえず、先ずは投資からと思っていたのだけど、自分でやってみないことには、どのプロダクトが本物なのか見極められない。それで作り始めたのが「FiNANCiE(フィナンシェ)」。そして取引高、取引量、DAUが世界1位のDappsゲーム「My Crypto Heroes」を運営している「double jump.tokyo」に出資しています。
その2つはどちらも話題になり、とても期待できるプロジェクトですね!國光さんの「思い」とか「発言」などを聞いていると、次の時代の「生き方」とかを考えさせられるような発言もあって、國光さんが思う自己実現の時代とSNS時代、承認欲求時代の違いをお聞き出来たら嬉しいです。
2007年のgumi創業当初、「何をしようかな」と思っていたときに、3月にTwitterが「サウス・バイ・サウスウェスト」で初登場して、めちゃくちゃバズってまして。それを見ていてソーシャルウェブの大きな流れを感じてこれはすごい!と思ったんですよね。
ローンチの時にその場で見たのですか?
いえ、ネットです。でも当時まだアメリカってPCしかなくて、どう考えても今後は「モバイル」だろうなと感じて。ということは「モバイルファースト」のTwitterを作ったら我々の勝ちだなと思いました。gumiの名前も「1組(くみ)、A組(ぐみ)」みたいなクラスのみんなで集まるという意味を込めて名付けました。
そこからFacebookを参考に、gumiもモバイル版ソーシャルプラットフォームをやり始めて、これは「世界初」なんですけど(笑)その1年後にMixiがプラットフォームをオープンして、今まで作っていたソーシャルアプリをMixiに乗っけたら、先行者メリットもあって伸びて行きました。その中でも圧倒的に収益性が高かったのがゲームでした。そこからゲームに一気にフォーカスしました。
スマホ時代にソーシャルネットワークで成功できなかった悔しさがあるので、今度こそはリベンジしたいなと(笑) そして「ブロックチェーンならではのソーシャルネットワークとはなんだろう?」と考えたときに「FiNANCiE(フィナンシェ)」を思いつきました。どうゆうことかというと、FacebookやインスタといったこれまでのSNSは「承認欲求」をインセンティブに、データを集めてきました。
ただ承認欲求をインセンティブにしたSNSはここから結構しんどくなってくると思っています。こちらについても詳しくは僕のブログに書いてあります。そこで次に来るのが、「自己実現」を軸にしたSNSだろうということで「FiNANCiE」を思いつきました。自分の夢に向けて頑張っている人と、それを応援する人。そういった前向きな思いで繋がるSNSがこれから主流になるだろうと思っています。
確かに、そうですね。
FiNANCiEでは、自己実現に向けて、ポジティブに人と繋がれるみたいなことをしたくて、上手くブロックチェーンを使って「トークンインセンティブ」みたいな形でやれば、実現できると思っています。
トークンインセンティブの話でいうと、ビットコインとかイーサリアムが新しいなと思ったのは、オープンソースプロジェクトにトークンエコノミーがくっついたという所でした。今までのオープンソースはボランティア的な感じで関わることがほとんどでしたよね。リナックスとか初期に関わった人で億万長者はほとんどいないでしょ。
でもイーサリアムの初期に関わった人はほぼ全員、億万長者。これは当時19歳のヴィテリックの夢に乗っかって、コードを書ける人はコードを書いて、マイニングできる人はマイニングして、お金を出せる人はお金を出す、宣伝できる人は宣伝する。みたいな形で、皆んなの努力でコミュニティが1万人、100万人、1000万人と増えた結果、トークンの価値が上昇してみんなハッピーというモデルです。
なるほどですね。
FiNANCiEも全く同じで、今までのインフルエンサーモデルは、クラウドファンディング、オンラインサロン、ライブ配信の投げ銭もそうだけど、ファンがインフルエンサーに貢ぐだけの一方通行なものでした。結果、そのインフルエンサーが大成功してもファンに見返りはない。
FiNANCiEに投資家やアドバイザーで本田圭佑さんに入ってもらったのも、彼は一瞬でそういったことを理解してくれました。彼は「名古屋グランパス入った当初は、人気がそれほどなかったけど、その頃からめちゃくちゃ応援してくれたファンはいる。でもファンの多くは海外に行ってから。両方のファンには感謝しているけど、古参のファンに恩返しができないのは残念」と言っていました。
これが例えばFiNANCiEだったら「ホンダトークン」みたいなものを作って、将来ここからまた本田選手が活躍したら、トークンの価値も上がり、ずっと応援してくれていたファンに還元できる。すごく良いですよね。
本田さんが言ったこともすごくわかる。自分に何もない時から支えてくれてた人に対しては、より一層「ありがたみ」を感じるものですよね。
スタートアップもそうで、ファウンダーのビジョンに共感する人が集まって、コードを書ける人はコードを書いて、営業できる人は営業して、宣伝できる人は宣伝して、お金を出せる人はお金を出して、その夢が形になると会社の価値が上がって皆んなハッピー。これがトークンエコノミーの大きな魅力なんだろうなと思います。
ところで、ニュースで見た人も多いと思うのですが、Klaytnにgumiが参加しようと思ったきっかけは?
Klaytnに参加すれば、今後カカオトークや他の参加メンバーとのコラボレーションが期待できると思ったからです。ブロックチェーンにおいて、今後決定的に重要になるのはリアルユースケースが出ることだと思います。
そしてリアルユースケースの一番わかりやすいところに、ゲームがあります。でもここの一番の問題点はウォレット管理なんですよね。これが一般の人には凄く難しい。カカオトーク、LINE、Telegramなどのメッセンジャー自体がウォレットになって、ユーザーに暗号通貨を意識させずにサービスを提供できるようになってきたときに、Dappsは一気に伸びてきます。メッセンジャーがウォレットになるっていうのが次のステージです。
またフィナンシェもそうだけど、僕らは基本的にユーザーファーストだから、ユーザーにとって使いやすくないと全く意味ないと思っています。
だから心は「ディセントライズド」で、行動は「ユーザーファースト」。必要最小限の部分はオンチェーン、それ以外はオフチェーンで、技術の進化に合わせて徐々にオンチェーンに移行していこうと考えています。加えてしっかりとしたコミュニティーが確立しているところが今後成功していくと思います。
なるほど、確かになんだかんだで、アプリデベロッパーの声って今までない気がして、プロトコル側の方が多かった気がする。
だから、ここにおける人材の流れも大切で、最近のブロックチェーンに関わる人は「技術」「ビジネス」「サービス」をわかっている人が多くなってきたと感じています。
確かにビジネスをわかっている人は多くなってきた気がしますね。
今までのブロックチェーンビジネスの問題点は、普通のビジネスだったら当たり前のユーザー思考がなさすぎました。ようやく今の世代でユーザー思考になってきました。次のフェーズで重要なのは、ユーザーファーストでユーザーがブロックチェーン、暗号通貨を意識しないで使える仕組み、サービスだと思います。
最近はそんな感じのサービスが出始めてきているから、私もそのフェーズに入りつつあると感じています!
あと、リブラとKlaytnをどのような視点で比較しているか聞かせてもらってもいいですか?
今、リブラは金融に注力しているけど、Klaytnはコンソーシアムにゲーム会社がいっぱいあるのでDappsなどが早く立ち上がるかなと思っています。
あと会社の打ち出し方やアプローチの仕方ですかね。トークンがステーブルであったり、ノードの部分が違っていたりという多少の違いはありますけど、基本は同じようなものだと思っています。
Facebookは、今は通貨の方が重要だと感じていると思います。ただそれには乗り越えなくてはいけない規制の問題が大きすぎることに気がついて、Dappsのプラットフォームに徐々に方向転換していくと僕は思っています。というのも通貨に持っていくのにはかなり時間かかるし、まずはイーサリアムやEOSのライバル的な感じで動いてDappsを受け付けていくんじゃないかな。その結果、リブラは流行ると思うけど、流行ったのは結局ゲームのお陰じゃんみたいになると思っていますね(笑)
藤本さん、「シリコンバレー狂騒曲」って知ってる?これクリプト業界の人は全員観るべきだと思うのだけど、これ、アメリカのインターネットバブル時代に何が起こったのかという内容なんですよね。これを見ると歴史は繰り返すみたいな感じがわかると思います。
面白そうですね、観てみます!
インターネットバブルの時にみんなが大きくなると考えていたのは、ポータルとブラウザだったんですよね。でも結果、ポータルもブラウザもほぼ価値ないでしょ?価値あるのは、「検索」と「ソーシャル」。
だからブロックチェーンも、今はオープンプロトコルとか取引所とかマイニングとかに価値があるとみんな考えているけど、でももしかしたら10年後、20年後には今言ったもの全てが、たいしたことないみたいな感じになるかもしれない。みんながそんなに重要ではないと考えているものが10年後にはすごいことになる可能性も大いにある。そういう部分に大きなビジネスチャンスのヒントがあると思っています。
NFT周りもキラーコンテンツになる可能性もあるし、もうそういうのが早いスピードで現れている可能性もありますよね。
うん、あり得ると思います。そういう感じで並べるとやっぱり時代は繰り返すのかなと感じますね。
僕は最終的にVRとブロックチェーンがくっついたところが一番大きなビジネスだと思っています。
僕の最終的なイメージが一つあって、それが「オアシス」です。映画の『レディー・プレイヤー1』は見たことありますか?
もちろんです!
ゲーム、コミュニティ、バーチャルライブ、スポーツ、カジノ、ショッピングモールなど様々なものが全てブロックチェーンでつながっている完全な仮想世界。これを映画から取って「オアシス構想6ヶ年計画」と名付けて取り組んでいます。
https://forbesjapan.com/articles/detail/29646
よむネコ社が運営、開発をしているVR剣戟アクション「ソード・オブ・ガルガンチュア」についてお話しすると、今の時点ではシンプルな剣劇マルチRPGなのですが、年内にアドベンチャーモード(ローグライクのような繰り返し遊べる機能)やMod機能のリリースを控えています。来年以降は、VR空間内でのフレンド機能やPvPモードの追加、加えてゲーム内でみんなで集まれるロビーとアイテム一部をブロックチェーン化することをやってきています。
その後はシンプルで、ジョブを増やして、アバターを入れつつ、2021年にはここでオープンワールドとかを作ったりしていきます。2022年はマルチユニバースという感じで、自分たち以外が作ったユニバースとも連携していきます。そしてブロックチェーンを使って全てのアセットを繋げていく。
ここの全てで重要になってくるのが、VR空間で作った3Dデジタルアセットが他社のユニバースでも使えるということです。逆も然りで、他社のアセットが我々のVR空間で使えるということもすごく重要です。今お話したのが基本的なロードマップで、ここをフルブロックチェーン化していくと、VRの世界でお金を稼げるようになります。それが未来になっていきます。
もう一個の世界を創るということですよね。
そうそう。完全な仮想世界みたいな感じです。FiNANCiEはリアルな世界をより重要と考えている人向けのサービスで、バーチャルがより重要と考えている人のためのサービスが「オアシス」というイメージですね。
なるほどー!FiNANCiEはリア充の人を対象にしているじゃないですか、それを周りの人が応援することで周りの人もハッピーということは理解できたのですが、正直何か自分の中で物足りなかった部分があって。
きっとそれはリア充じゃない人はどうなるの?ってところだったんですよね。でも、今のお話を聞いて、國光さんがリア充じゃない人に対しても本当の意味で主役になれるワールドを仮想現実空間で実現しようとしていることがいいなって思いました!
みんなをハッピーに(笑)ブロックチェーンで価値の大きくなるところは、プロトコルではないと思っています。デジタルデータというものが資産性を持ったことによりそこに新しい経済圏が生まれてくる。それが凄まじく大きい価値だと思っています。
ちなみにVRの一番大きな価値も意外なところで5年後10年後には「人類が生まれて初めて、見た目が関係なくなった世界」と言われるようになると思っています。
見た目の良し悪しが人生に与える影響は実際凄く大きいと感じます。見た目から解放されるというところがVRのかなり大きな価値です。なので今日お話したような世界を本気で作ろうと思っています。
話をお伺いして、國光さんの本気と熱意をひしひしと感じました! 本日はどうもありがとうございました。
左から國光氏、筆者、gumi cryptosの松原氏

國光氏の話を聞いて、『レディープレイヤー1』や『ソード・アート・オンライン(SAO)』の世界がそう遠くない未来に迫っているように感じた。

また彼は仮想世界だけではなく、「FiNANCiE(フィナンシェ)」を通じて現実の世界におけるコミュニケーションやお金の流れも同時に変革しようとしている。

彼が本気で目指している「外見や出自が関係のない世界」が、VRやブロックチェーン技術により実現した時、きっとみんながハッピーになるだろう。

それはすごく素晴らしい世界だなと思う一方、その世界で問われるのは、「自分とは何者なのか」「自分が心から欲しているものは何なのか」といったようなもっと人間の内面や本質的な部分だろうとも感じた。


記事編集:The Nodist編集部
写真:小山 雄司郎